ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

作曲家筒美京平が惚れたハイトーンヴォイスCCB笠浩二さん死去

80年代「Romanticが止まらない」が大ヒットしたロックバンド「C―C―B」のドラムスでミュージシャンの笠浩二さん(⬆中央)が60歳で死去した。1985年、解散寸前のバンドだったC―C―Bに起死回生のヒット曲を提供したのがヒットメーカーとして知られた大作曲家筒美京平さんだった。目を付けたのが、ドラマーの笠浩二さんの声。透明感があるハイトーン・ヴォイスに魅力を感じ、「笠くんじゃなきゃ、私は曲を書かない」とドラマーだった笠さんをメインボーカルに抜擢したのだ。笠さんは「なんで俺を選んだのっていう感じで。自分にすごく自信がない人間だから、自信をもってドラムを叩いたり歌ったりできなくて、よく間違えるし。メンバーからも、なぜ笠がメインヴォーカルなの、っていう。板挟みみたいになってしまって。ダメ出しをされて。だんだん、自分で歌自体がどういうものか分からなくなっちゃって。最後は泣きながら帰ったときもあった」という。そして迎えた、レコーディング本番。笠さんが、緊張のあまり、「胸が苦しくなる」という歌詞の末尾の「なる~」というメロディーを、筒美さんから指示された下げ調子ではなく、上げ調子に勝手に変えて歌ってしまった。すると筒美さんは「“これでいいよ”って言ってくれたのね。自分が歌いやすいところで歌ってるんだから。それが君のメロディーなんだから、と」。そして「Romanticが止まらない」は、売上51.7万枚のヒット曲となり、日本レコード大賞金賞にも輝いた。音楽界の名伯楽と出会えた笠浩二さん、ご冥福をお祈りしたい。