ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ミック・ジャガーも歌にしたパリ人肉事件、佐川一政の死。

 1981年6月、フランスパリで起きた日本人留学生佐川一政(いっせい)によるオランダ人女性殺害とカニバリズム(人肉を食べる)事件(⬆上左)は、世界中に大きな衝撃をもたらした。パリ警察に逮捕された佐川は、取調べで「昔、腹膜炎をやった」と発言したのを通訳が「脳膜炎」と誤訳したため、精神鑑定の結果、心身喪失状態での犯行と判断され、佐川は不起訴処分となり日本に帰国した。日本では、フランスでの「腸炎」を「脳炎」と取り違えて不起訴になったが、佐川は精神病ではなく人格障害であり、刑事責任を問うべき、との声が上がったが、フランス警察が「不起訴処分になった者の捜査資料を引き渡すことはできない」として拒否したため、日本での裁判は不可能となった。事件発覚時に、パリに滞在中だったローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、このカニバリズムに大きな衝撃を受け、佐川のパリ人肉事件を「Too Much Blood」(血が多すぎる)のタイトルで歌にしている。ジャケットはジャガーの驚愕の表情で、あたかもホラー映画の一場面のように恐ろしい映像だ(⬆上右)。ジャガーは作曲の動機について、「この日本人の男は、少女を殺害・食したことで、フランス国民と日本人の想像力をかきたてた」と語った。41年前、世界を震撼させた男佐川一政は、日本へ帰国後、一時はマスコミに有名人として扱われ、小説 も書いたりしたが、次第に世間から忘れ去られ、人食い事件から41年を経て先月の11月24日、肺炎のため73歳で死去した。