ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

世界最強の井上尚弥が1度のダウンも奪えなかった田口良一。

先日、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネアに2回1分24秒TKO勝ちを収めた井上尚弥は、6月10日、全階級を通じた世界最強のボクサーのランキングであるパウンド・フォー・パウンドランキングで、日本人として初の1位に選出される歴史的な快挙を成し遂げた。井上のこれまでのプロでの戦績は、全23試合を戦って23勝無敗、KO勝利が20(KO率87%)判定勝利が3(この内2試合でもダウンを奪っての勝利)。しかし、ダウンを一度も奪えないまま判定勝利した1試合がある。2013年8月25日、日本ライトフライ級王者の田口良一と対戦⬆した試合だ。田口はこの試合の1年前に高校を卒業したばかりの19歳の井上尚弥とスパーリングをした際にプロになって初めてのダウンを2度奪われ、4ラウンドやる予定が3ラウンドで終わっていた。「すごい高校生がいるという話は聞いていたんですが、あそこまで強いとは思っていなかった。悔しくて、泣いて......。とにかくショックでした」と田口は当時を振り返り、その翌年に日本タイトルを取るとリベンジ目的で初防衛戦の相手にプロになって3連続KO勝ちしていた井上尚弥を指名した。結果は0-3の判定負けだったが、フルラウンド戦い、一度もダウンを奪われずに井上の連続KOを止めたのだ。試合後、田口は「井上くんのパワーはすごかったですけど、フィジカルで押し負けはしませんでしたし、気持ちも充実していました。きつい試合だったのはもちろんですが、その中に楽しさがあった」と回想している。田口は井上との試合の翌年、WBA世界ライトフライ級王座を取り、井上尚弥は、過去に戦った相手で最強ボクサーは?と聞かれる度に「田口良一」の名を挙げている。