ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

イキな計らい、JAZZ界の巨匠ロン・カーター氏に旭日小綬章。

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1960年代マイルス・デイヴィスによるモード・ジャズの表現 を 支えたベーシストのロン・カーター⬆。彼が、音楽を通じて日本・アメリカ合衆国の友好親善に寄与したとして内閣府が「外国人叙勲 旭日小綬章」を贈るというイキな計らいを見せた。ロン・カーターは若い頃バッハに傾倒し、クラシックのコントラバス奏者を目指して1日8時間に及ぶ猛練習をしていたが、当時ヒューストンのオーケストラの名指揮者だったストコフスキーに、“君はなかなか素晴らしい、しかしテキサス州では有色人種をオーケストラに入れることには困惑するのでダメだ”と言われ、やむを得ずジャズの道を選択したという苦い経緯がある。ロン・カーターはどんな音が新しい時代のジャズに合うかをつねに模索し、弦の上で指を滑らせ太く伸びるベース音を奏でるグリッサンド奏法やドゥ〜ンと音を出すスラー奏法など時代に合わせて新しいサウンドを次々と生み出した前衛的なジャズベーシストだ。1960年代、ロン・カーターの柔軟で奔放なプレースタイルが、モード・ジャズの表現を模索していたマイルス・デイヴィスの目にとまり、ベーシストに抜擢、クロマティック(半音)の音選びでマイルスと絶妙な相性を見せたカーターは、マイルス・サウンドの屋台骨を支える重要な役割を果たした。個性的な音色と音の運びに個性があるロン・カーターのベースは日本でも人気があり、日本人による彼の芸術への理解度の高さに呼応して、ロン・カーター本人も大の親日家だ。今回の旭日小綬章のニュースはロン・カーター自身にとっても日本のファンにとっても実に嬉しいニュースとなった。