投手として開幕から8試合を投げ、2勝1敗の2刀流大谷翔平、開幕から4試合目で は、平均球速は96.8マイル(約155.8キロ)、与四球率9.2、ストライクゾーン率は40.2%(MLB平均49.2%)とコントロールが定まらない不安定なピッチングだった。ところが8試合登板の後半4試合でのピッチングに目覚ましい変化が起ったのだ。平均球速は94.4マイル(約151.9キロ)とややスピードは落ちたものの、6月4日にはキャリア20試合目にして初の無四球ピッチングで、与四球率を9.2から2.7と大幅に減らし、ストライク率は40.2%から48%にまで上昇させたのだ。この大谷の劇的な変化を一番間近で見ている捕手のカート・スズキ (⬆上写真右)は、「彼は本当に頭のいい男だね。私がこれまで一緒にプレーした投手たちより自分の身体をよく理解している」 と語り、大谷のピッチングの目覚ましい変化について「彼は球速を上げたり下げたりするタイミングを知っている。98マイルの球を必要とする大きな局面に直面すれば(それを)投げることだってできる。スプリットやブレイキング・ボールなどの球を除けば十分に強く投げられるよ」と語り、「彼がどれほど凄いか誰が知ってる?彼は特別な才能を持っているよ」と、カート・スズキは大谷のボールを毎試合受けている捕手として自分が肌身で感じている大谷のピッチングの凄さについて語った。メジャーでの捕手歴14年のベテラン捕手の言葉だけに一切お世辞は入っていないように思われる。