「なぜ人は若い頃に聞いた音楽に夢中になるのか」というナゾについて、英国ダラム大学音楽心理学の研究チームが、18歳から82歳までの470人を対象に「音楽の思い出」について調査した。参加者は、65年間(1950年から2015年)にわたってチャートに登場した111のポップソングのタイトルとアーティストを見せ、自分がもっとも関心のある音楽について回答してもらった。参加者のサンプル全体では、思春期にチャートにあった音楽はより親しみやすいと評価されただけでなく、より多くの青春時代の記憶と結びついていることがわかったという。この音楽関連の回想は14歳頃にピークに達し、参加者がこの年齢のときに人気のあった曲は、最も多くの思い出を呼び起すということがわかった。とりわけ40歳代以上の人々が他のどの時期の曲よりも思春期の曲を好む傾向にあることもわかった。その一方で、イーグルスのホテルカリフォルニア、グロリアゲイナーの「恋のサヴァイブ」、マイケルジャクソンのビリージーンなど、名曲とされる歌は世代を超えて愛されていることも今回の調査でわかったという。青春時代の思い出とともに記憶されている懐かしい歌。「青春時代が夢なんてあとからほのぼの想うもの。青春時代の真ん中は胸に刺(トゲ)さすことばかり」という名曲があるが、人は、胸にトゲさすことばかりの時代に聞いていた歌こそ、なぜか懐かしい思い出とともに甦ってくるようだ(笑)