東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が先週、2月に予定されている国際オリンピック委員会の会議で大会開催の「運命」が話し合われると一部の国内メディアで報じられたことについて、「フェイクニュース」であると否定した。コロナ感染が猛威を振るう中、あと188日後に迫ったオリンピック開催は本当にできるのだろうか。米国ニューヨーク・タイムズは15日、新型コロナウイルスの影響で今夏の東京五輪の開催見通しが日々厳しさを増しており、第2次大戦後、初の五輪開催中止に追い込まれる可能性があると伝え、日本や米国、欧州主要国で感染拡大が続き、国際オリンピック委員会IOCの委員らの間で、安全な五輪開催は不可能との声が出始めたと指摘、ディック・パウンドIOC委員(カナダ)が開催に「確信が持てない」と述べたことを紹介している。菅首相は1月7日の記者会見で「世界で(ワクチン)接種が始まっている。日本でも2月の下旬までには予防接種したい。こうしたことをしっかり対応していくことで、国民の雰囲気も変わってくるのではないか」とワクチンの効果が出ることで東京五輪開催に対する国民の理解が得られるとの認識を示した。しかし、年末までに2000万人のワクチン接種を目標としていたアメリカは、年末までの接種人数はわずか280万人と、目標を大幅に下回っている。さらに、アフリカや南アメリカ、中東などワクチン接種の見通しが立ってない国々もある。新型コロナウイルスの第3波を阻止しようと懸命に取り組む世界の国々の深刻な状況の中で、「オリンピック絶対開催」を我が国は世界へ向けて叫んでも良いものだろうか。