「レッドブル、翼を授ける〜」のCMで知られるレッドブル。このエナジードリンクを飲めば本当に翼が生えてくると信じていたカナダの消費者たちが、虚偽広告だとして集団訴訟を起こし、その結果、07年1月1日から19年7月23日までにレッドブルを購入した人は、補償金として10ドル(1050円)を受け取ることで和解した。特設ウェブサイトで、10月14日まで申し込みを受け付けている(ただし、カナダ国外からは不可)。実は、レッドブルがこうした訴訟を起こされるのは今回が初めてではない。5年前には、同社はアメリカで虚偽広告について同様の集団訴訟を起こされ、この時は過去10年間にレッドブルを購入した人は、10ドルまたは15ドル相当のレッドブル製品の引換券を受け取る権利が得られた。レッドブル側は声明で、同社は和解には応じたが「レッドブルのマーケティングは常にウィットに富み、誠実で正確であり続けてきた」とし、「レッドブル、翼を授ける〜」という宣伝文句は「今後も辞めない」と発表したのだ。レッドブルは、なぜ損害保証金を払いながら「翼をさずける〜」の宣伝文句を辞めようとしないのか?それは商売の基本「損してトクを取れ」の戦略があるからだ。「翼が生えない」と訴訟を起こしたクレーマーはごく一部にすぎないし、損害補償金も大した金額ではない。それよりも多くの人達が「翼をさずける〜」のウイットやユーモアを理解してレッドブルを飲み続けてくれれば売上はどんどん伸びるという計算だ。結局のところレッドブルは「少し損して大きなトクを得る〜」(笑)商売をしている、というわけだ。