ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

引退のイチロー、東京ドームで観客を待たせた「20分の空白」の真相。

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2019年3月、日本人メジャーリーガーとして数々の大記録を残したイチロー選手の東京ドームでの最後の引退試合。その舞台裏を追った特別番組『イチロー引退 舞台裏の物語』がNHK BS1で放送された。あの日、テレビの生中継を見ていた人たちが最も知りたかったのは試合終了後、ベンチ裏へと消えたイチロー選手が別れを惜しんでスタンドに居残った満員の観客の前に再び姿を現すまでの「20分間の空白」の謎についてだろう。スタンドが総立ちで「イチロー」コールを繰り返す中でなぜ20分間もイチロー選手は総立ちの観客を待たせ続けたのか。舞台裏を追ったこの番組でようやくその真相が明らかになった。ベンチ裏に消えたイチロー選手は、先ずチームメイトを集めて「別れの挨拶」をし、その後に帰国を急ぐアメリカ人記者達による囲み取材を受けていたのだ。この間、イチロー選手の耳にはスタンドに居残った満員の観客の割れんばかりの「イチローコール」はまったく届いていなかった。そして20分が経過する頃、傍にいた通訳から「観客がまだ帰らずに待っている」と告げられるとイチロー選手は「あ、そうなの」と答えて再びベンチ裏から球場内へと足を運んだのだった。この時、もうすぐ日付が変わろうとしていた午後11時25分、イチロー選手は恐らく残ってくれてる観客はそれほど多くないだろうと思いながらの再登場だったのだ。ところが再登場したイチロー選手が目の当たりにしたのは、スタンドに総立ちで深夜にも関わらず居残っていた満員の観客、彼が驚き感激したのは言うまでもない。そのあとの日本人記者との会見で「引退の決断に後悔は?」という質問に「今日の球場でのできごと、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません」と語ったコトバの中に、「あんなものを見せられた」イチロー選手がどれだけ「感動」していたかが、生々しく伝わってくる。