先日、日産自動車の西川社長がフランス財務省を訪問すると「フランス政府はルノーの持ち株を手放す用意がある」と伝えられたという。あれほどニッポン企業「日産」をカルロス・ゴーンの手を借りて「乗っ取り」たかったフランス政府のこの心変わりは一体何なのか。ルノーの筆頭株主のフランス政府は「株を手放す」ことで日産の日本人経営陣に印象を良くして日産&ルノーの提携関係を今後も維持したいからだ。なぜなら、日産の年間販売台数は600万台でルノーの370万台の1.5倍、しかもルノーの企業利益のうち40%は日産に依存し、さらに電動化技術などでも日産の技術が頼りという現実を踏まえれば、ゴーン追放のクーデターを起こした日産がルノーとの提携関係までを解消することをフランス政府が恐れたからだ。ルノー&フランス政府と純粋の日本企業として再生したい日産の敵対関係を生み出さないためにはフランス政府が「ルノー株を手放す」のが最善と考えたに違いない。しかもルノーと日産が交わしているRAMA(提携の基本合意書)には『日産の取締役会決定事項について、ルノーは株主総会で反対できない』といった基本項目があり、日産の独立性はすでに完全に保証されているためルノーの支配力に制限がかかっている状態で日産株を43%も保有していること自体が意味がないとフランス政府が理解したことが「株を手放す」一番の理由なのだ。ゴーンを追放し、フランス政府の野望も打ち砕いた日産、アッパレなその企業のカジ取りをいまだに褒めたたえないでいる日本のマスコミは揃いも揃って「間抜け」ばかりと言えるだろう(笑)