ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「終わった人」ゴーン氏108日拘束の間に背中を向けたフランス。

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日産元会長カルロス・ゴーン被告が釈放された。彼についてあれほど高い関心を見せていたフランスでは大きなニュースになったのかと言えば、仏マスコミは出所の際の工事作業員の奇妙な「仮装」については報じたが一応自由の身になったゴーン氏に対しては何とも冷ややかな反応だった。昨年11月19日の逮捕から108日という長期にわたる勾留の間にフランス人はカルロス・ゴーン氏に対してすっかり「背中を向けた」格好だ。逮捕された当初は「日本人経営陣によるクーデター」だとゴーン氏を援護し12月には逮捕した日本検察への「報復」としてフランスとは無関係なJOC竹田会長への取り調べまで行った。しかし、2019年の年が明けるとゴーン氏の長引く勾留に仏メディアが反応、ル・モンド紙が1月15日付けでゴーン氏のルノー会長辞任を提起し17日には仏政府のル・メール経済相がルノー社に対してゴーン氏の代表権剥奪を勧告、25日にはルノー社がゴーン氏を解任と矢継ぎ早にゴーン失脚へとフランス側がカジを切ったのだ。そして2月9日にはついに今回の事件の発端となった「日産のフランス国営化」の陰謀をあきらめたフランス政府が日産の西川社長に対してルノー社の持ち株を手放す意思を示し日産との「和解」を図ろうとするまでに変化したのだ。日産のフランス国営化のキーマンだったゴーン氏の108日間の勾留は、フランス側の野望が色褪せてしまうほど、「あまりにも長すぎる空白の時間」だったと言えるだろう。海外からの批判に耐え抜き長期の勾留を続けてゴーン氏をすでに「終わった人」にした日本の検察陣。「よくぞやった」と拍手を贈ろうではないか。