ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

前指が6本、幸運をもたらす猫を裏切った文豪ヘミングウェイの自殺。

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アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイが愛した猫、ヘミングウェイ・キャット(Hemingway Cats)をご存知だろうか?ヘミングウェイは29歳の年にアメリカ最南端に位置するキーウェストに居を構え、ここで名作『武器よさらば』を発表した。この頃キーウェストで知り合った船長からヘミングウェイが譲り受けた猫が昔からの「船の守り神」とされた前指が6本ある珍しい猫だった。ヘミングウェイは幸運をもたらす猫だと信じて「スノーボール」と名付けて大変可愛がったという。ところがキーウェストで40歳の時に結婚した3番目の妻マーサとキューバのハバナ郊外へと引越しすることになった際、妻のマーサが大のネコ嫌いであったため10年間も可愛がっていた6本指の猫「スノーボール」をキーウェストに残したままヘミングウェイは引っ越してしまった。ハバナに移り住んでからはアフリカでのサファリなどに熱中して留守がちのヘミングウェイに不満を持った妻マーサと46歳で離婚、55歳の年に「老人と海」でノーベル文学賞を受賞したのだがその同じ年に2度も航空機事故に遭って重傷を負ってしまいヘミングウェイは授賞式に出席することが出来なかった。その後は飛行機事故の後遺症が残りかつてのフィッシングやアフリカでの猛獣狩りなどアクティブな生活が出来なくなったヘミングウェイはうつ病に罹り、61歳でキューバを離れて療養のために移り住んだアイダホの山荘で翌年62歳で愛用の狩猟用ライフル銃で自殺した。一方キーウェストに残された6本指の猫「スノーボール」は6本指の遺伝子を持つ子猫を生み、現在直系子孫50匹が生存しその半数は6本指の猫でありキーウェスト観光の目玉になっている。6本指の猫スノーボールを妻のために裏切った文豪ヘミングウェイとキーウェストで多くの子孫を残した「スノーボール」、大きくその明暗を分けたモノはやはり「運」だったのだろうか。