パリバオープンで優勝したのもつかの間、大阪なおみ選手が今度はマイアミオープン初戦で元女子プロテニスの女王だったセレーナ・ウィリアムスに何とストレート勝ちを収めた。試合後の勝利者インタビューで大坂なおみ選手は「私がテニスを始めたのはセレーナが大きな理由。セレーナは何度もテレビで見てきた存在だったから、(ゲーム中)実際に彼女と試合している事実を頭から消すのが難しかった」と語り、憧れだったセレーナ・ウィリアムズからもぎ取った勝利を噛み締めているかのようだった。しかし、対戦中には大坂なおみ選手はゲームにしっかりと集中し、女王時代と違ってまるで精細を欠いたようなラリーを展開していたセレーナ選手の苦戦ぶりに気づかなかった。「(試合中)セレーナをあまり見ていなかった。彼女を見過ぎたら自分が狂ってしまう。実際に倒されそうになるショットを(セレーナ選手は)何本か打ってきていたし、そんな時『おお、これがセレーナのショットだ』と思った」。何というこころの余裕、何という試合への集中ぶり。試合後憧れの元女王セレーナ・ウィリアムズと初めて握手し「グッドジョブ」と褒められた若干20歳の大坂なおみ選手は、元女王が歩んできた道、「女子プロテニス界の女王」への階段をどうやら登り始めたように思われる。そして、いまだグランドスラム制覇をなし得ないままで居る錦織選手より一足先にグランドスラムを制してしまうかもしれない。