下町の中小企業の技術を結集して冬季オリンピックでのメダルを狙うという「下町ボブスレー」のプロジェクト。夢のある企画として日本中が注目し、テレビドラマ化までされている。しかしながら、お膝元である日本のボブスレーチームは冬季オリンピックのソチと平昌の2度に渡って「性能的に他国製のものより劣る」という理由から競技への「下町ボブスレー」の採用を見送ってしまった。あきらめきれない下町プロジェクトチームは次にボブスレー後進国のジャマイカと契約し何とか冬季オリンピックへでの滑走を果たそうと夢見たのだ。しかし平昌オリンピック開催の直前になってジャマイカチームが「下町ボブスレー」を採用しないと発表し大騒ぎになった。その理由はラトビア製のボブスレーと乗り比べて見たところ2秒も遅いことがわかり不採用を決めたのだと言う。しかもラトビア製のボブスレーの価格は何と300万円程度だと言う。これに対して日本のプロジェクトチームはジャマイカチームにボブスレー1台あたり製作費6,800万円を賠償金請求する予定だと言う。1台当たりたった300万円のソリよりも2秒も遅いソリが1台当たり6,800万円、「下町ボブスレー」のプロジェクトチームは、ひと目でわかるこの金額差を見て自分たちが明らかな「技術不足」だった事に気付くべきでは無かったのか。「下町ロケット」のテレビドラマで有名になった大阪の下町制作の人工衛星「まいど1号」もそう、今回の「下町ボブスレー」もそう、失敗に終わった理由は夢に追いつくだけの「技術力」が無かったという事なのだ。今回の騒動は残念ながら技術大国ニッポンの甘い一面が垣間見えたような気がしてならない。