1949年10月1日に毛沢東中国共産党主席が中国全土で「革命」を達成したことで成立した中華人民共和国⬆。この偉大な国名に使われている文字の中の人民共和の4文字は日本から逆輸出した和製漢字だというのをご存知だろうか。さらに、毛沢東が達成した「革命」というワードも日本が発明した和製漢字による表現なのだ。我々日本人が使う文字は、1000年以上前から中国から輸入された漢字を使ってきたが、文明開化の明治時代には西欧の思想や科学・産業など新しい文化・文明が日本に入ってくると、古代中国から輸入した旧態依然の漢字では表現しきれない新たな造語が必要になり、次々と生み出されたのが日本独自の和製漢字だった。例えば、「文化」、「文明」、「社会」、「科学」、「美術」、「空間」、「時間」、「人民」、「共和」などだ。この時期に生まれた「和製漢字」が今度は、文明開化が日本よりずっと後になった中国へと逆輸出されてゆく。その結果、現在の中国語には多くの「和製漢字」が使用されているというわけだ。中華人民共和国が建国された頃に使われた「概念」「哲学」「民族」「思想」「共産主義」なども和製漢字であり、巨大中国の国名に使われている「人民」も「共和」も日本から中国へ逆輸出された漢字であることは、日本にとって実に誇らしいことと言えるだろう。