大谷翔平を擁した2023年WBCでの侍ジャパン優勝、年末に数々のエピソードがマスコミを賑わしたが、決勝の舞台で大谷翔平とぶっつけ本番でバッテリーを組み見事米国のスーパースターのトラウトを三振に切って取り優勝を決めた中村悠平捕手(ヤクルト)⬆が語った「その瞬間」が実に感動的だ。決勝の9回裏、ツーアウトをとってバッターボックスにはマイク・トラウト、「フルカウントになったのでここはフォアボール覚悟のスライダーでいこうと思ったんです。バッターにトラウト、ピッチャーに翔平、その後ろにはマイアミのローンデポ・パークの景色......最後のスライダーがキャッチャーミットに入るまでは、スローモーションのように感じました。あれ、とてつもないスライダーでした。一瞬、(右打席の)トラウトのエルボー(ヒジ)に当たるんじゃないかなと思ったほどです。それがアウトコースの(ストライクゾーン)ビッチビチのところに決まったんですから、とてつもない横曲がりのスライダーでした。天才が努力すると、こんなところまで行けちゃうんだなと思いましたね。キャッチャーマスク越しに見る景色は僕だけのものですから、ホント、あれは最高の景色でした」中村捕手だけが見た大谷翔平のとてつもない横曲がりのスライダー、彼にとって夢のようなキャッチシーンだったに違いない。