ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「この木なんの木」名前も知らずに作詞した伊藤アキラさん死去。

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日立のCMソング「この木なんの木」⬆や渡辺真知子さんが歌った「かもめがんだ日」の作詞家として知られる伊藤アキラさん(80)が亡くなった。CMソングでは、ほかに「イソジン」「きのこの山」「かっぱえびせん」「青雲」「三ツ矢サイダー」などの作詞や「南の島のハメハメハ大王」「はたらくくるま」など子供に人気の曲や、アニメ「うる星やつら」の主題歌も手がけ、リズムにうまく乗せ、つい口ずさみたくなるようなその詞には定評があった。伊藤さんの代表作といえばやはり日立のCMソング「この木なんの木」だろう。この詞誕生のキッカケについて伊藤さんは生前こんな風に語っていた。「ディレクターが歌の注文にやってきたんですね。1973年のことですか。映像はこうなります、という絵コンテを出されたんです。絵コンテ、ただの絵。真ん中に大きな木がばっと描いてありました。ディレクターは、「映像はこの木だけです。そこに、日立グループの会社名が流れるだけなんです。ですから、歌で特徴をつけないと困るんです。一つよろしくお願いします」と。それで、この木はなんというんですか? と質問したら、「いえ私は知りません」。どこにある木ですか?「いや私は知りません」。どんな花が咲くのでしょう?「いえ私は知りません」。全部「知りません」なんですよ。それで、あ、そうですか、わかりましたとしか言えませんでした。困りましたけれど、もうこうなったら、そのとおり書いてやろうと(笑)。それで「名前も知らない木ですから」、と書いたのが出来たんです。発注者とのやりとりをそのまんま歌詞にした伊藤アキラさん。奇をてらうことなく素直に感じたままを詞にする、ヒットメーカーならではの「極意」と言えるだろう。