ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

名曲「ラヴァース・コンチェルト」の原曲者はバッハのゴーストライター。

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ポップソングの名曲「ラヴァース・コンチェルト」。日本ではJAZZヴォーカリストのサラ・ヴォーンがカバーした歌が大ヒットした。How gentle is the rain(何て穏やかに降る雨なんでしょう)で始まる彼女の軽やかな歌声は誰の耳にも心地よく響いてくるスタンダードナンバーの名曲だ。この曲は1965年にアメリカのシンガーソングライターのサンディ・リンザー&デニー・ランドルが作曲したのだが、彼らが作曲のベースにしたのがクラシック音楽の巨匠バッハが1725年に発表した「アンナ・マクダレーナ・バッハのための音楽帖」に載っていた「メヌエット、ト長調BWN Anh.」という曲だったため、「ラヴァース・コンチェルト」は長らくバッハの曲が原曲と思われてきた。ところがその後の歴史音楽研究者による調査でこの曲はバッハが実際の作曲者のクリスティアン・ベツォールトの名を伏せて掲載した曲であることが判明、つまりこの曲はバッハ作品のゴーストライターが作った作品だったことが判明した。294年前に無名の作曲家ベツォールトがバッハのために作曲したクラシック作品が、3/4拍子から4/4拍子にアレンジされて「ラヴァース・コンチェルト」(愛の協奏曲)という洒落たタイトルで現代によみがえり、多くの歌い手たちにカバーされる名曲となった思いがけないストウリー。原曲を作ったベツォールトには現代でも演奏されるようなクラシック作品は残っておらず、唯一ポップスミュージックとして現代に生まれ変わった自分の作品を聞いたら、どんな感想を洩らしただろうか(笑)