英紙「ガーディアン」が「日本のワクチン接種の遅れが五輪に影を落とす」と題した記事を掲載。人口に対する接種率で、イギリス49％、アメリカ40％、フランス20％に比べ、日本はいまだ1.3％とわづかな接種数にどまっていると、先進国の中でダントツの低さを指摘し、「同じようにワクチン接種の遅れが批判されている隣国の韓国でさえ4％超だ」と報じている。さらに、日本で接種が進まない原因としてEUからの供給不足や輸出時の手続きの問題とされてきたが、そういった日本政府の主張は「怪しい」と論じている。というのも、米「ブルームバーグ」が先日、「EUは1月31日から4月19日にかけて日本へ5230万回分のワクチンを輸出した」と報じた（⬆上写真）からだ。ガーディアン紙は、コレが事実かどうかを東京のEU情報機関に確認したところ事実だったと伝えているのに、ワクチン担当の河野太郎大臣は「数字が違うので確認してみます」とツィートしただけのマヌケぶり。GW入り前の4月27日時点でワクチン総接種回数はいまだに325万回程度。財務省が発表している「貿易統計」でワクチンの輸入数を類推すると、どんなに少なく見積もっても日本にはすでに1000万回分以上のワクチンが到着しているはずなので、ガーディアン紙が指摘したように接種ペースがあまりにも遅すぎるのは事実だろう。それにしても、ワクチン接種が遅々として進まない政府や行政のこの「手ぬるさ加減」を我が国のマスコミはなぜ「批判キャンペーン」しないのか、実に不思議である。
