世界28の国と地域に5500店舗を展開する100円ショップ「ダイソー」。利益がたった1円でも売る商法で、売上4757億円の会社に成長させた創業者矢野社長⬆が、経済誌FORBES JAPANのインタビューで成功したヒケツについて語っている。「僕は学校を出てから10年で職を9回変えて、夜逃げして、火事に遭って、会社が倒産するから自殺するしかない、みたいな体験をしてきたので、学校を出た瞬間に艱難辛苦(かんなんしんく)という背後霊に取り憑かれたんだと思っています。艱難辛苦にがっちり羽交い締めされて、良いことなんて1つもなかった」と若い時の自分を振り返り、「どん底からどうやって抜け出すんですか」という質問をされることが多いんですが、僕は「仕方ない、仕方ないと自分に言い聞かせるんです。それで逃げ切ります」と答えています。僕は艱難辛苦だったおかげで、3つの自分の哲学を持てたんですね。1つ目が「恵まれない幸せ、恵まれる不幸せ」、2つ目は「仕方がない、仕方がない」。信長でさえ、明智光秀に襲われたとき「是非もない」、今の言葉でいう「仕方がない」と言って死んでいったんですから、我々のような凡人は「仕方がない」という言葉が当てはまって当然なんです。僕はずっと「自分には能力と運がないから仕方ないんだ」と言い聞かせて逃げてきました。3つ目が「ありがとう、感謝します」。この3つの言葉で大きくなれたような気がします」と語っている。この他に大切なことは?という質問に対しては「僕は大した経営者じゃないと思っているので、よく分かりません。ただ、ものすごく働きました。働くことが大好きです。朝5〜6時から夜中の1〜2時まで毎日働いていたので、昭和18年生まれでよく働く人のランキングを作ったら、10番以内には入っていると思います」と懸命に働くことが(成功する上で)大切な事なのだと語っている。