アメリカ最大のスポーツイベントである全米フットボールチーム決定戦「スーパーボウル」。このスーパーボウルのTV中継の中で流されるCMは、視聴率が非常に高いことから、スポンサーが特別に力を入れて製作することで知られている。2020年度のCMの中で視聴者の心を打ったのはGoogleのCMだった。Googleが開発したAIアシスタント の便利機能をさり気なく紹介するTVコマーシャル。 妻を亡くした85歳の老人がGoogle検索で「how to not forget（忘れずにいる方法）」と入力すると「詳細を繰り返すことで覚えやすくなる」と表示される。そこで老人はGoogleアシスタント の音声コマンドに向かって「Hey!Google」と呼びかけ、自分と妻ロレッタさんの写真をいくつか見せてほしいと頼む。仲睦まじかった2人の写真が次々と映し出されると「ロレッタはヒゲが大嫌いだったんだ。覚えておかなきゃ」と笑う。するとGoogleアシスタントは「OK、覚えておきます」と記憶する。アラスカへ一緒に旅行した時の写真や記念日に撮った写真などの他、2人が好きだった映画『カサブランカ』も映し出される。そして老人が忘れないように、ロレッタさんが生前よく口にしていた言葉リストが表示される。そのリストは、2017年5月14日の日付で終わっていた。「家にばかり閉じこもってちゃだめ。外に出るようにしなさいよ」この言葉を最後にロレッタさんは旅立った。しかし、妻の言葉は懐かしい良き思い出の写真とともにGoogleアシスタントが記憶してくれている。老人は「私は世界一幸運な男だってこと、覚えておこう」とつぶやき、妻の最後の言葉を守るかのように飼い犬の散歩に出かけるらしい音が聞こえ、CMは終了する。全米の涙を誘ったというこのCM、あなたもyoutubeでご覧あれ。
