ラグビーW杯、開幕戦でロシアに30-10で勝利した日本。なかでも、日本代表初の“ハットトリック”を決める大活躍を見せた WTB松島幸太朗選手26歳が、この日のマン・オブ・ザ・マッチ(最優秀選手)に選ばれ日本中が大いに沸いた。爆発的な加速と「目の前から消える」と評される鋭いステップで相手防御を切り裂き、一気にトライラインまで駆け抜けるそのプレーは日本人離れした別次元の走りを見せた。彼は、ジンバブエ人で新聞記者の父・ロドリックさんと、NGO(非政府組織)の研究員である母・松島多恵子さんの一人息子として、南アフリカの首都プレトリアで生まれ、日本で育ったハーフだが、世界ランク1位になったテニスプレイヤー大坂なおみ選手もハイチ人の父親と日本人の母親のハーフであることで2人のイメージがダブって見える。SNS上に「ラグビーの松島幸太朗とテニスの大坂なおみが日本人と思えない」というスレッドが立つと「二人とも日本人だ」という反応が圧倒的な多数を占めた。ラグビーW杯で優勝実績のある強豪アフリカのU-20候補に選ばれながら「日本代表になり、強いチームを倒したい!」という思いから、南アフリカ代表を辞退し日本代表になることを選んだ松島選手。4年前2015年にはラグビー界の大波乱と称される対南アフリカ戦での日本の勝利に貢献し、さらに日本開催のW杯での今回の活躍ぶりを見ると、松島選手のサムライスピリットは、疑う余地のない日本人アスリートだ。