池袋で母娘2人を轢き殺した元高級官僚飯塚幸三が逮捕されなかった件をめぐってSNS上のトレンドワードにまでなった「上級国民」。この言葉についてここ数日で世間の注目が集まり、不平等なエリート階級を優遇する「社会」に対して反発の声が相次いでいた矢先、誰でも自由に編集できるはずのWikipediaで、なぜか「上級国民」という項目に突然ロックがかけられ、編集ができなくなってしまったのだ。直近の編集履歴を調べると複数人が削除を試み、また別の人物が保護するという攻防戦が繰り広げられていたことも分かっている。普通の人がこの言葉を消す動機は見当たらない。飯塚幸三を庇う何らかの「上からの強い力」がそこに働いたことは明らかだろう。「上級国民」と名指された飯塚幸三が国民の怒りを買っているのは、12人の人をはね2人の母娘を死亡させたのに、最初にしたことが遺族への謝罪ではなく自らの「保身」だった点だ。救急車を呼ぶ前に息子に電話をし、自らのフェイスブックやツイッターのアカウントを削除させ、自宅の電話番号を変え、グーグルのストリートビューの自宅写真にモザイクを掛け、経済産業省の勲章ページを削除させたのだ。(⬆上の写真右)そしてウィキペディアの編集ページをロックするという「上級国民」らしい完璧な自らの「保身」に走っていた事実には、空いた口が塞がらない。事件後、死亡した母娘の父親が「たった一瞬で私たちの未来は奪われてしまいました。悔しくて悔しくて仕方がありません。この悔しさはどれだけ時間が経っても消えないでしょう」と慟哭した姿を、自分だけ良ければいい「上級国民」飯塚幸三は、どんな思いで見ていたのだろうか。