ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

米国がベトナムに敗戦した暑い日「ホワイトクリスマス」が街に流れた。

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1975年の4月30日、戦争で一度も敗けたことのないアメリカ合衆国が南ベトナムで北ベトナム軍に敗北した日、気温40℃を超えるサイゴン市内に向けて突然アメリカ大使館からビング・クロスビーの歌う「ホワイトクリスマス」が流された。炎暑の4月なのにクリスマスソング?実はサイゴンから脱出するベトナムに在留するアメリカ人への集合の「合図」のためにアメリカ人なら誰でも知っている「ホワイトクリスマス」を流したのだ。名付けて「フリークエントウインド作戦」(上の写真参照)サイゴンの海上で待機するアメリカの2隻の航空母艦ミッドウェイとハンコックへ在留アメリカ市民1,373名をヘリで輸送する作戦の開始を告げる季節外れのホワイトクリスマスだった。ホワイトクリスマスと言えば、数多いクリスマスソングの中でいまだにトップに君臨し続ける名曲であり、ビング・クロスビーのホワイトクリスマスは1958年以前の発売記録が不明だが公式で5,000万枚のシングル盤売上を記録している。この曲は1940年の夏に「アメリカのシューベルト」と評された作曲家アーヴィング・バーリングがアリゾナのホテルのプールで作詞・作曲した作品だという。夏のプールサイドで誕生したホワイトクリスマス、そして炎暑のベトナムでアメリカ軍の歴史始まって以来の敗北を伝えたホワイトクリスマス。歌われる冬の季節とは逆の暑い季節に不思議な縁のあるクリスマスソング「ホワイトクリスマス」は、アメリカ市民に78年もの長きに渡っていまだに愛され続けている名曲である事は変わらない。