トランプ大統領の突然の会談キャンセル発表ですったもんだした米朝交渉。結局は最初の予定通りに6月12日開催が決まった。ところが6月に入って今度は北朝鮮側が会談場所のシンガポールでのホテル代を「支払ってくれ」と要求しているというニュースが入ってきた。金正恩委員長が宿泊するホテルのスィートルームの宿泊代金は1泊65万円、そのホテル代さえ支払えない北朝鮮をこの際一気呵成に「核廃絶」させられるチャンスだと思われるのにアメリカ政府は「アメリカがホテル代を肩代わりすると金正恩委員長を侮辱したことになる」という理由で開催場所に選ばれたシンガポールに支払わせようと交渉中だという。あれほど強硬な姿勢だったトランプ大統領はなぜ急にトーンダウンしたのか。米朝会談の前に金正恩の親書を手渡すためにトランプ氏と会いに来た北朝鮮のNo.2の副委員長に「(非核化に)時間をかけて構わない」とも言い、12日の会談は「(正恩氏と)知り合いになるための機会」であると述べた。今回のホテル代金の肩代わり要求に低姿勢だった事と言い「完全なる非核化を実現させる」というあの強硬姿勢はどこへいってしまったのか?トランプ氏はさらに米朝トップ会談を1度限りではなく複数回重ねながら最終合意すれば良いという方針転換を図っているという。この事はつまり、米朝会談がトランプ大統領の11月に予定される中間選挙に向けての「歴史的な偉業づくり」である事をアメリカの選挙民に向かってPRするための「会談」に成り下がってしまったことを意味している。