先日、トニー賞の授賞式会場でアメリカの大物俳優ロバート・デニーロがトランプ大統領を「Fuck Trump!」(トランプのクソ野郎)と放送禁止用語を繰り返し叫んで聴衆の大喝采を浴びたニュースは、トランプ大統領の歴史的な大偉業とされた米朝会談の直前の出来事だった。トランプ大統領もさすがにすぐに反論のツィッターをする時間もなく、帰国したあとにようやくデニーロへの反論をツィートした。完全なる核廃絶については何の成果も得られずに終了した米朝会談は、トランプ氏の単なる「政治ショー」の場に終わったとアメリカのマスコミが批判する中、それを裏付けるようなトランプ氏のデニーロへの反論ツィートだったのだ。「デニーロはIQが低い」に始まって「彼はきっとこれまでに(私の力で)経済が最も良く、雇用も史上最高で、たくさんの企業(投資)が米国に注ぎ込むように戻っていることを知らないんだ」と書き込んだ。米朝会談から戻ってすぐに行ったこの反論ツィートのなかに歴史的な偉業を成し遂げた米朝会談についての自慢話は1行も入っていないのだ。今回の歴史的な初の米朝会談の場で、金正恩が求めていた「体制の保証」と敵対的な「米韓軍事演習の中止」をあっさりと認めてしまったトランプ大統領こそ、ロバート・デニーロでは無しに自分自身が「IQが低い」人物であることを証明した事には無らないだろうか。これからの米朝間の核廃絶交渉の「前途多難」が思いやられてならない。