ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ネリに「恐怖」を見すかされた山中慎介。「老い」は隠せなかった。

 

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WBC世界バンタム級の元王者山中慎介のボクシング人生はアッと言う間の幕切れだった。12連続防衛というハードパンチャーが23歳の若いボクサーに為す術もなく敗れ去ってしまった。昨年8月の13度目の防衛戦でも4ラウンドKOされた同じボクサールイス・ネリと戦っての敗北だ。勝利したルイス・ネリは試合前「前回の試合でプレッシャーをかけると(山中は)突っ立ってしまい何をしていいのかわからないようだった」と語っていたが、今回の試合の後には「山中はガンガンくると思っていたが恐怖の色が見て取れた。前回KOしたことが彼の中で甦ったのではないか。だから容赦なくパンチを打ち続けたんだ」と勝利の弁を語っている。ネリの言うプレッシャーとは若いパワーという意味だ。ネリとの2度の試合でハッキリと見えていたのは山中慎介のボクサー人生の「老い」の部分だろう。若いパワーのネリの前で老いた山中はどうする術もなく立ちすくんでしまったのだ。山中の所属ジムの本田会長は「(山中が)打たれ弱くなっているというのはあった。2回に右ジャブが利いてアレッという感じだった。あれですべてが飛んだ」と山中の「衰え」を指摘し、引退やむなしと見きったようなのだ。どんなハードパンチャーといえどもボクサーとしての「老い」は確実に忍び寄る。今年で35歳を迎えた山中は23歳の若いボクサーに2試合連続のKO負けを喫した今が、引退の潮時だったということだろう。「神の左」の16年間のボクサー人生に「お疲れ様」と言ってあげようではないか。