北朝鮮が予告なしで北海道上空へミサイルを発射し、ニッポン中が大慌てした。安倍首相は午前6時の発射からミサイルの弾道を100%把握していた、と言ったが、発射されてからの軌道把握より、もっとも肝心な発射前の準備段階での発射位置の正確な把握などの「探知」が出来なかった事の方が恐怖だろう。現在の日本にはミサイル発射の探知設備は無く、アメリカ軍からの情報を受けて安倍首相は「ミサイル軌道を把握していた」と発言したに過ぎない。しかもそのアメリカ軍の探知も「発射の後」の探知しか出来ないのだ。何故なら、ミサイル発射の際に出る大量の赤外線を探知し追尾する方法しか無いというのが現在のミサイル「探知能力」の限界なのだから。発射されてから10分もかからずに我が国上空に到達してしまうミサイルを果たして自衛隊は衛星やレーダーを駆使してその速度や角度さらに到達地点を発射から1~2分以内に正確に割り出し「Jアラート」を鳴らすことが出来るのだろうか。ハッキリ言って着弾地点を発射後1~2分で割り出すなんてとても無理な相談だ。金正恩の威嚇している相手はアメリカであり日本はミサイル攻撃の対象とは今のところ考えていないようだが、万が一、日本がミサイル攻撃を受けた場合のことを想定して、直ちに北朝鮮の軍司令部などをピンポイントで反撃するといったシナリオを準備しておく事がいま我が国には必要だろう。ミサイルを発射以前に「探知」できないという情けない現状では、この「やられてからやりかえす」反撃方法しか我が国が取れる選択肢は無いのだから。