今シーズンMLBの開幕当初から打撃不振を続けるイチロー選手について、球界のご意見番張本氏が例によって厳しい意見を述べた。「イチローどうだろうな?今年いっぱいで辞めるかな」と述べ、その理由として「(打率が)1割ぐらいですからね。彼のプライドからしたらわかりませんよ」と述べた。あるアンケートでは日本のファンの8割が今年中のイチローの引退は無い、という予測結果を出しているが、今シーズンの打撃不振は張本氏の指摘する通り目を覆いたくなるような数値を示している。昨シーズンの開幕4月は30打数10安打だったのに今年4月は27打数でたったの4安打、5月は昨年が57打数18安打、今年5月の半ば迄で18打数4安打、今シーズンの通算打率が1割7分と低迷したままだ。昨年の4月・5月ともに3割以上の成績を残した打撃が今年はわずか1割台、しかも三振の数が多いという年齢からくる動体視力の衰えを明らかに感じさせるイチローの打撃の凋落ぶりを張本氏は問題にしているのだ。MLBで10年連続で3割以上の打撃成績を残し16年間通算でも3割1分3厘という輝かしい打撃成績を残してきたイチローが打撃1割の成績でこのまま選手生活を続けるわけが無い、「彼のプライドが許さないはず」という張本氏の意見はまったくもって正しいと言えるだろう。一方でイチロー本人は「50歳まで現役でプレーしたい」と公言し、日本のファンも「今年限りの引退は無い」と信じている中での張本氏のこうした意見はかなりのブーイングを呼びそうだが、日本で古くから言われる「晩節を穢すなかれ」という言葉や同年代ですでに引退したジーターやロドリゲスと同様に一流選手としてのプライドを保つために、動体視力が衰えたイチロー自身が「引き際の大切さ」について考えるべき時なのかも知れない。