世界トップシェアを誇る小型モーターメーカー日本電産の創業者永守重信氏は、研究資金に悩む大学に次々に私財を寄付すると支援を発表、14年に京都府立医科大学にガン治療のための陽子線設備費に私財70億円を寄付すると約束し、17年には京都大学に次世代モーターの研究費2億1千万円の支援を約束、20年京都学園大学が新設予定の工学部には100億円以上の私財を研究資金として寄付すると発表している。資金難に喘ぐ大学に次々と私財を寄付し続けている永守氏にその真意を尋ねると「全部使ってあの世に行くということや」とさらりと言ってのけたのである。永守氏に創業者にありがちな金銭欲がまるで無いのは、創業から5年目33歳の時に会社が倒産の危機に瀕したため京都の神社の鑑定を受けたら「1年後に運命が変わる」というお告げがあり実際に1年後には倒産の危機を乗り越え、その後世界シェアトップの企業へと大きく成長を遂げられたという不思議な出来事に由来してるのかもしれない。永守氏は人の2倍働くをモットーに1日16時間働き正月元旦の午前中を除いて1年365日働き続けてきた努力一筋の経営者でありながら儲けた金を私財として蓄えることをせずに教育発展のために寄付することで惜しげもなく使っている。「税金で納めるとどう使われるかわからんけど、寄付なら使い道がはっきりしている。教育への寄付が一番良い」と寄付の動機を述べている。今日あるのは自分の努力だけでは無い目に見えない神様の力添えがあったからこそ、という33歳の時の神のお告げに恩返しするつもりで、稼いだ私財を寄付し続けることを永守氏は少しも惜しまないのかもしれない。