ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

年金1人約100万円負担増、「なぜ日本人怒らない」とパックン。

年金制度を維持する目的で、厚労省が年金納付額の引き上げ案を検討中というニュース。これまで60歳までと決められていた年金の支払いを65歳まで5年間延長することを政府は検証する方針だという。5年の延長となれば、単純計算で1人約100万円の負担増となるが、受取額の増加は月当たり数千円程度に留まる可能性がある。このニュースに、お笑芸人のパックンことパトリック・ハーラン(53)⬆がフジTV「Live News イット!」に出演し、番組内で紹介された「街の声」が負担増や将来の支給に不安やあきらめの声だったり、国の制度に頼らない資産形成を口にする人などを見て、コメントを求められると「みんなよく笑顔で受け入れてくれているんですね」と、穏やかな日本人の反応に驚きを口にし、「これ、アメリカだったら大きな反発、フランスとかだったら暴動が起きるくらいの条件だと思うんです。ずっと支払っていた時の約束と、もらう時の約束が違うじゃないかと、(日本の)皆さん、素直なのはいいですけど、もう少し声を上げていいと思いますよ」と、おとなしすぎる日本国民に向かって呼びかけた。パックンが言うように、昨年、年金の支給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる制度改革に反対し抗議活動を行ったフランス国民は全国で約109万人に上った。日本では、誰も抗議せずに年金支払がこの政府案のまま65歳にすんなりと延長されるように思われる。

「大谷翔平はシロだ、英語がヘタだから」米連邦検察局。

ドジャース大谷翔平選手の通訳水原一平が起こした巨額の「違法賭博事件」、この事件の焦点となったのは、大谷翔平選手がVictim(被害者)だったのかAccessory(事件の加担者)だったのか⬆という論争だ。日本国内でもテレビのコメンテーターが「大谷クロ説」を力説したり、アメリカ国内でも大谷選手の事件への加担を疑う声が多く挙がっていた。そんな中、米メディア『The Athletic』のファビアン・アルダヤ記者が、このスキャンダルを担当していた米連邦検察局の捜査員に取材を行い、水原容疑者が大谷選手になりすまして大谷選手の口座にアクセスしていたと判断する「決め手」となったのは何だったかについて捜査員から直接聞き出している。「オオタニ」と名乗り銀行のセキュリティー質問にスラスラと回答し、大谷のプライベートな情報も提供し、口座へのアクセスに成功していた人物が、大谷選手本人では無いと捜査当局が断定した理由は「電話の主の英語は本当に流暢だった。このことから、普段、通訳を介して話していた大谷選手が、こんなに英語を上手に話せるワケはない」と判断し、「声の主が水原容疑者であると断定した」と捜査員からの説明があったという。大谷翔平選手がVictim(被害者)だったのかAccessory(事件の加担者)だったのかを米連邦検察局の捜査員が判断する決め手となったのが「英語を上手に話せない大谷選手」であったとは、結果的に a blessing in disguise (不幸中の幸い)だったと言えるだろう(笑)

たった1年で、佐賀県の人口と同じ「日本人」が消えてしまった。

総務省が、去年10月1日現在の人口推計を発表した。外国人を除いた日本人の人口は1億2119万3000人で、前の年と比べて83万7000人、率にして0.69%の減少となり、減少幅、減少率ともに過去最大だった。83万人の減少ということは、九州・佐賀県の人口81万2,193人より多く、たった1年間で佐賀県の人口より多い日本人がこの世から消滅してしまったことになる。我が国から日本人が居なくなる数字は年々加速してきている。4年前からの減少数を見ても、2020年50万1千人減(鳥取県の人口55万1,806人とほぼ同じ)、2021年60万9千人減 (島根県の人口66万6,331人に近い)、2022年73万1千人減(徳島県の人口72万6,729人とほぼ同じ数)の日本人が消えてしまったことになる。ほとんどの日本人は、「日本人消滅」を絵空事と思っているが、このようにたった4年間で、佐賀県・鳥取県・島根県・徳島県4県分の日本人が消えてしまった事実を知れば、日本人減少の深刻さを多少なりとも理解できるかも知れない。毎年このペースで日本人が消滅し続けるとすれば、2024年は100万人以上の日本人減少が見込まれ、富山県の人口103万7,319人と同じ数の日本人が消えてゆくかも知れない。47都道府県に見立てた人口減少のジグソーパズル ⬆、毎年その中の1ピースづつが消えていっている現実を、あなたは「絵空事」だと思いますか。

アメリカ人とうとう怒りだした、チャンスで打てない大谷翔平に。

今シーズンからドジャースに新加入した大谷翔平選手、開幕から19試合を終えた時点で、打率.338、4本塁打、10打点、OPS(出塁率と長打率を足した数値)は1.033をマークするほど、誰が見てもチームの主軸打者としての十分な役割を果たしている。ところが、米スポーツ専門放送局『ESPN』のブレイク・ハリス記者が「「今シーズン、打率.338にもかかわらず、ショウヘイ・オオタニは得点圏に走者を置くと、16打数1安打にガクンと下がる」とチャンスに弱い大谷翔平にクレームを付けた。さらに、MLB公式サイト『MLB.com』のホアン・トリビオ記者も、「オオタニの活躍は素晴らしいが、今季はここまでRISP(得点圏)で16打数1安打にとどまっている」と大谷のチャンスでの致命的な”貧打”を嘆いた。「チャンスで打てない大谷翔平」で思い出されるのは、2009年ワールドシリーズで13打数8安打3本塁打8打点打率.615と打ちまくり見事MVPに輝いたNYヤンキースの松井秀喜選手が、ここぞというチャンスで打つ打撃法だ。松井選手は、チャンスの場面は投手にとってはピンチの場面、投球モーションが早くなる、これに対応するため体の「軸」を中心に置くのではなくやや左に置いて構えるという。こうすることで、「ボールを普通より長く見られるし、投球の変化に対応できて打てる確率が高くなる」と言うのだ。大谷選手よ、メジャーホームラン数で松井秀喜を超えるのも良いが「チャンスに強い打法」を松井秀喜氏がしたように、もう少し工夫してみたらどうなんだ。

「純金茶碗」犯人、スピード逮捕できたのはICカードの記憶。

東京・日本橋高島屋で販売価格約1千万円の純金製の茶碗が盗まれた事件。事件は4月11日午前11時40分ごろに発生、犯人の男は13日午後2時半ごろに都内で警視庁の警察官が発見して逮捕、事件発生からまる2日でのスピード逮捕だった。警視庁は 盗難現場の防犯カメラ映像から容疑者の外見を特定し、移動する方向にある防犯カメラの画像を次々とたどっていく「リレー方式」で犯人の足取りを追い、地下鉄を使って逃走したことを突き止めた。ここで、犯人の男は現金で地下鉄のチケットを買うことをせずにICカードで改札を通るという逃走犯としては実に重大なミスを犯したためにスピード逮捕に繋がった。ICカード乗車券には、すべてにID番号が割り振られており、改札を通過した時間がわかれば、降車駅も特定できる。容疑者の男は犯行後、日本橋駅から地下鉄東西線に乗って逃走し、3つ目の木場駅で降りたことがICカード履歴からわかった。そして事件から2日後、捜査員が木場駅に張り込みを続けて、逃走した犯人と同じ服装のよく似た堀江容疑者⬆を見つけ、持っていたICカードを調べたところ、犯行当日の犯人の逃走経路と同じ使用履歴が出てきたことから逮捕に至ったという。今回のスピード逮捕は、ICカードを使って犯人が逃走してくれたお陰だったと言えるだろう。

「井上尚弥はアメリカで試合しろ」米国メディアは分かってない。

世界スーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥選手のマッチメイクについて、ボクシングの本場アメリカからクレームの声が挙がっている。井上選手は、5戦連続で日本でのタイトルマッチを実施。来る5月6日のルイス・ネリとの防衛戦も東京ドームで行う予定だ。毎試合KO勝利することでスポンサー料も高騰し、前回のタパレス戦の井上選手のファイトマネーは10億円を超えたとされる。これについて、米ボクシング専門チャンネル『ProBox TV』は、「イノウエは海を渡り、アメリカに来て、アメリカ人を倒して、ファンに注目してもらわなければならない」と日本でのマッチメイクを続ける井上選手を批判、さらに、『Fight Hub TV』が「イノウエはすでにスターだ。しかし、アメリカのボクシング市場は最大級だ。もっと大きなスターになりたければ、アメリカに来るべきだ」とコメントした。こうした意見に対して、井上選手はXで「軽量級の本場はここ日本にある。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるなら喜んで行く」とツィートした⬆。このツィートを受けて、米国「ボクシングニュース24」は「この頑固で難解なスタンスは、井上が融通が利かず、米国でスターになるために渡米するという考えを変えたくないことを示している」と批判した。米国メディアのあまりにも無知過ぎる井上選手のマッチメイク批判。井上選手が言いたかったのは、アメリカにはスーパーバンタム級のような軽量級の選手に10億円以上のファイトマネーを出せるスポンサーが果たして居るのか、という質問だ。軽量級の本場である日本なら井上選手に10億円のファイトマネーを出せるスポンサーは沢山あるが、重量級中心のアメリカでは、軽量級の試合に10億円以上出せるスポンサーを見つけるのは至難のワザだ。日米のスポンサーの考え方の違いを知らない米国メディアのクレームに、井上選手は黙っていられなかったようだ。

 

 

 

「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる」31歳で夭折した梶井基次郎。

毎年桜の季節になると「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」という衝撃的な書き出しで始まる散文詩を思い出す。1932年3月24日桜の咲く季節に31歳の若さで夭折した小説家 梶井 基次郎(かじい もとじろう)が残した作品だ。「不思議な生き生きとした美しい満開のの情景を前に、「俺」は逆に不安と憂鬱に駆られた。桜の花が美しいのは樹の下に屍体が埋まっていて、その腐乱した液を桜の根が吸っているからだと想像する。花の美しい生の真っ盛りに、死のイメージを重ね合わせることで初めて心の均衡を得、自分を不安がらせた神秘から自由になることが出来ると、「俺」は「お前」に語る」という散文詩。友人の小説家伊藤整は、梶井が「でなければ、あんなに桜の花が美しいわけはないんだ。それだから桜の花はあんなに美しいんだよ」と語った言葉に感嘆したという。伊藤整は、「日本の近代作家の中でこんな美しい幻想を散文に描いたのは梶井しかいない。日本の小説家の作れない種類の美しいイメージがこの作品にはある」と語って居る。近代文学研究者の 鈴木貞美は、梶井のこの散文詩を「美に醜を対置し、美のうちに“惨劇”を見出す虚無的な美意識とその心理が描かれている作品だ」と絶賛した。確かに、日本人は皆サクラの花を見れば、ただ美しいと褒め称えるが、花の美しさに死のイメージを重ね合わせることで桜の花の持つ神秘性を見事に浮かび上がらせた梶井基次郎の才気、素晴らしい「散文詩」だと思いませんか。