2023年に首都圏(1都3県)で供給された新築マンションの平均価格は、1戸当たり8101万円とマンション価格は「高嶺の花」になってしまった感がする。総務省全国家計構造調査によれば、東京都の勤労世帯の年収は2人世帯で776万円、ここから高くなり続ける社会保障料や税金が差し引かれるのだから普通のファミリー層には新築マンションはとても手に入らない価格と言えるだろう。そうした一方で、東京都内にはマンションの空き家が47万戸もあるのをご存知だろうか。賃貸用マンションで41万3千戸、個人住宅マンション空き家が5万7千戸も存在している。急速な人口の減少と高齢化が進んでいる今の世の中で、これは何を意味するのか。30年前のマンションブームの時代に競ってマンションを購入した団塊の世代が高齢化を迎えていて次々に亡くなってゆくことでマンション空き家は今後さらに増えてゆくことが予想される。当然、これを相続する子供世代がこれらのマンションを売却したり、賃貸したりする数も当然増加するだろう。すると、賃貸マンションの家賃を上げることはますます難しくなり、分譲マンションの価格も上げることが困難な状況となる。つまり、5年以内に都内のマンション市場は「供給過剰」となり、マンションの賃貸も分譲も価格が暴落してゆく事は目に見えている。現在のマンション価格を「高嶺の花」と指を咥えている人達は、あと5年辛抱すれば理想のマンションを手頃な価格で購入できるバラ色の時代が到来する。マンション購入を予定している人は、現在のマンション価格に目を奪われるのではなく、これからの「人口の減少数」「高齢者の死者数」「マンション空き家数」を睨みながらマンション価格の暴落を待つことが賢明かと思われる。