ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「アリとキリギリス」日本の老人は絶対「アリ」だ。

1億2000万ドルの資産家でヘッジファンドマネージャーのビル・パーキンスが著したDIE WITH ZERO(ダイ・ウィズ・ゼロ)という本⬆がアメリカでベストセラーになっている。タイトルの「ゼロで死ね」とは、持っている「資産」をゼロにして(使い切って)死のう、という意味だ。この本のまえがきにイソップ物語「アリとキリギリス」の寓話が引用されている。「この寓話の教訓は、人生には、働くべきときと遊ぶべきときがある、というものだ。もっともな話だ。だが、ここで疑問は生じないだろうか? アリはいつ遊ぶことができるのだろう?」「私たちは、キリギリスの末路を知っている。そう、飢え死にだ。しかし、アリはどうなったのか? 短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのだろうか? いつ、楽しいときを過ごすのか?」と、この本の著者は問いかける。日本人は、死亡保険を含む預貯金が平均で1,264万円、、家・マンションなどの不動産評価額が平均で1,575万円、合計で3000万円近い「資産」を残して死んでゆくという。言ってみればアリのような人生だ。しかし、「資産をゼロにして死ぬ」というキリギリスの生き方は日本の老人には到底受け入れられられない「発想」だ。なぜなら、お金のかかる大病や認知症が心配だからだ。万が一に備えた安心のための「資産」は、例えアリのような人生と言われようと、ゼロになるまで散財するなど日本の老人にとって、以ての外の話だろう。