ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「記憶に残せ」と言われ痛みが消える、怪物力士だ、尊富士。

初優勝でも取り口でもとにかくスピーディなスーパー力士が大相撲の世界に現れた。歴代横綱、貴乃花・朝青龍の相撲界に入門してから24場所、照ノ富士25場所の初優勝記録の半分以下のわずか9場所での初優勝というそのスピードに驚かされる⬆が、立会いからスピーディに攻め立てるその速攻押し相撲にも対戦する力士は翻弄されっぱなしだ。その尊富士が優勝から一夜明けて打ち明けたエピソードがユニークだ。十四日目に右足首じん帯損傷のケガを負い千秋楽は強行出場。その決断は、部屋の横綱・照ノ富士から「不思議な力」をもらえたからと明かしたのだ。救急搬送されて部屋へ戻った夜「人の肩を使わないと歩けなくて、正直諦めていた」という。すると横綱から「おまえならやれる。記録はいいから記憶に残せ。最後まで出ることがいいんだ。負けてもいいからこのチャンスはもう戻ってこない」と諭された。尊富士は「言われた瞬間スイッチが変わってしまって、急に自分の足で歩けるようになったんです。周りからも“大丈夫か?”みたいに驚かれて、第二の自分がいるみたいに…自分でも怖かったです」で強行出場しての初優勝、昔、プロ野球で打撃の神様と言われた川上哲治は、ホームランを打つ時「ボールが止まって見える」という名言を吐いたが、急に自分の足が歩けるようになった尊富士は、「相撲の神様」になれるかも知れない。