ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

44年前の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』米国は認めなかった。

1980年代の日本の繁栄を予言した米国ハーバード大学の社会学者エズラ・ヴォーゲル  教授の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」⬆は1979年の発行当時、日本人が自国の経済・社会制度を再評価するきっかけのひとつとなり、日本国内で70万部を超えるベストセラーとなった。1968年にGDP世界2位となった日本の経済は、米国の著名な社会学者のこの本によってさらなる繁栄が約束されたと勘違いし、これ以降、日本のメデイアが世界経済を語る際に、必ずバイブルのように引用してきたこの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」。ところが、2017年にこの本の著者であるヴォーゲル  教授が、日本のメディアのインタビューで「ジャパン・アズ・ナンバーワンは、日本では注目されたが米国ではほとんど注目されなかった」と正直に告白したのだ。さらに、教授は当時のライシャワー駐日大使から『日本人がごう慢になるから、この本の翻訳版を日本で出すな』と言われたエピソードまで語った。この本の序文にギリシャ神話の「イカロスの翼」の話が出てくる。王によって塔に閉じ込められたイカロスが、塔を抜け出すために、鳥の羽を集め羽を蝋(ろう)でとめた翼を作る。その翼を付けて塔を無事脱出したイカロスは、調子に乗って高く飛び続けて太陽に近づき過ぎ、羽をとめていた蝋(ろう)が溶けてしまって翼を失いイカロスは墜落死してしまうという物語。今年GDP3位に転落したニッポン、どうやら「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の幻想から未だに抜けきれていないようだ。