中国からの輸入品に大幅な関税を課すなど中国に対して厳しい姿勢を貫いてきた前アメリカ大統領トランプ氏が、前回の大統領選挙で被った赤いキャップ⬆が何とメイド・イン・チャイナだったという笑い話はまだ記憶に新しい。あれから3年、アメリカの対中国からの輸入規制はどうなっているのか。米紙ニューヨークタイムスが、3年経っても「アメリカの「脱中国」は進んでいない」という特集を組んだ。それによるとアメリカは過去5年間にわたり、コンピューターチップや太陽光パネル、その他さまざまな消費者向け輸入品で中国への依存度を引き下げる取り組みを進めてきたが、中国製品は他国経由でアメリカに流入。アメリカと中国という世界トップツーの経済大国が依然として深く結びついていることがわかったという。アメリカのサプライチェーン(原材料の仕入れや生産加工会社)は依然として中国からの仕入れ・輸入に大きく依存しており、アメリカ経済は、依然として中国頼みの状況にあるという。「21世紀の世界の工場」を自認している中国をアメリカ経済の枠組みから外すというトランプ前大統領の目論見はもはや「夢物語」に過ぎないだろう。アンチ中国を掲げたトランプ前大統領が被っていた「赤いキャップ」がそのことを如実に物語っている。