ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

❓➡❗「レ・ミゼラブル」完売を伝えた世界一短い手紙。

1800年代のフランスの小説家兼政治家だったヴィクトル・ユーゴー(⬆上写真右)。ナポレオン3世の独裁政治を批判し、弾圧を恐れて亡命した英国ガンジー島で、あの世界的に著名な大河小説「レ・ミゼラブル」を書き上げた。1本のパンを盗んだことをきっかけに、結果として19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描いた作品で、日本では黒岩涙香による翻訳で『ああ無情』のタイトルで1902年明治35年)に紹介された。「レ・ミゼラブル」の出版当初、売れ行きが悪ければ、ユーゴーは筆を折る覚悟をしていた。しかし、発売当日には書店に長蛇の列ができ、「レ・ミゼラブル」は飛ぶように売れた。一般人はもちろん、数人の仲間から本代を集めた低所得の労働者たちの多くも列に加わり、本を買っていったという。労働者たちは仲間同士で「レ・ミゼラブル」を貸し合い、回し読みしたといわれている。『レ・ミゼラブル』が出版された直後、海外旅行に出かけていたユーゴーはその売れ行きが心配で、出版社に一文字「?」と書いただけの電報を送った、すると出版社から「!」とだけ書かれた返信が届いた。つまり、「上々の売れ行きです!」という出版社からのサインだった。事実「レ・ミゼラブル」は、数日で完売・売切れの状態であったという。このユーゴーと出版社との記号だけのやりとりは、世界一短い「手紙」として『ギネス世界記録』にも掲載されている