ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「ティファニーで朝食を」ヘプバーンのモデルは作者の母親。

1961年に発表されたオードリー・ヘプバーン(⬆上写真右)主演の映画「ティファニーで朝食を」。そのタイトルの奇抜さとヘプバーン演じる主人公ホリーという女性の「自由奔放な生き方」が注目されヒット作品となった。映画のタイトル名は、主人公ホリーが「ティファニーで朝食を食べる身分になる」という願いを表現したものだが、高級宝飾店「ティファニー」は、この映画人気にあやかり宝石とは関係のないレストランを2017年に店内にオープンしたほどだ。映画のあらすじは、無名の作家ポールが、この物語の主人公ホリー(ヘプバーンの役)という謎の女性の隣に引っ越してくる。ホリーは、「ティファニーに居る時が一番の至福のとき」とポールに言い、そんな奇妙な行動と性格に、ポールは惹かれ、次第にホリーもポールを気に入るようになる。しかし、次第にホリーの暗い過去と現在が明るみになっていくという物語だ。この映画の原作は、1958年に発表されたトルーマン・カポーティの小説だ。この物語で、ホリーが見る夢はカポーティの実の母親の夢だったといわれている。カポーティの母親のリリー・メイ(⬆上写真左)は、息子カポーティを出産後に離婚し、カポーティを親戚に預けて裕福になることを夢見て男性を次々と渡り歩く女性だった。そしてカポーティが10歳の時に母親のリリーは、遂に裕福な実業家のキューバ人と再婚、カポーティを呼び寄せ母子ともに「ティファニーで朝食を」食べる身分を手に入れた。生活環境が一変したカポーティは、19歳の時に最初の小説『ミリアム』でオー・ヘンリー賞を受賞し、アンファン・テリブル(恐るべき子供)と評される天才小説家としてデビューを果たした後、裕福な暮らしを求め苦労してきた母親をモデルに「ティファニーで朝食を」書き上げたのだ。