小池女史が都知事に就任してすでに半年以上が経過したが、オリンピック会場の見直しも豊洲市場への移転も何一つ決められずに今日に至っている。同じ女性のリーダーで小池都知事に爪の垢を煎じてぜひ飲んで欲しいのがドイツ初の女性首相となって12年、依然として高い評価を受け続けて居るアンゲラ・メルケル女史だ。即断即決のその政治手腕は男顔負けのリーダーシップを発揮し続けて居る。2011年3月11日の東日本大震災でメルトダウンを起こした福島原発のニュースを見たわづか3日後の3月14日にメルケル首相は、ドイツ国内の原発計画をすべて凍結してしまった。彼女は物理学者でもあることから原発の脅威について熟知していた為、たった3日の素早い決断をしたのだという。さらに2015年8月にはシリアからの大量の難民がヨーロッパへ押し寄せてきた際には「ドイツは助けが必要な人は助けます。法的・人的に助けが求められている状況で援助に前向きでない人々を容認しません」と難民受け入れを渋っているフランス・イギリスなどEUの各国の態度を批判し、わづかひと月の間に80万人のシリア難民をドイツ国内に受け入れたのである。まさにこれこそが政治家としての手腕と言うものだろう。ドイツの首相であるメルケル女史と東京都知事の小池女史とを比較するのは月とスッポンの感じもするが、政治と言うものは「目の前にある困難」にいかにスピーディに対処できるかが最大のポイントだろう。といってもメルケル女史は物理学者出身、小池女史はニュースキャスター出身、政治家としての器が違いすぎると言っては失礼だろうか(笑)