NIIB(全米保険犯罪局)の2015年調査でアメリカ国内で盗難被害にあったクルマの車種ベスト10が発表されたのを見てみると、何と10車種のうち半分の5車種が日本車だ。8位に10,374台の日産アルティマ7位に10,547台のトヨタカローラ5位に15,466台のトヨタカムリ2位に49,430台のホンダシビックそして第1位が52,344台も盗まれたホンダアコードである。アメリカのクルマ泥棒に高い人気の日本車だが、その中でも併せて10万台以上が盗まれるホンダ車はなぜこれほどまでにクルマ泥棒に狙われているのだろうか。盗難被害に遭ったホンダ車は年式の古いつまり中古車がほとんどで、セキュリテイが弱い車種だからという理由もひとつにはあるがクルマの専門家によればホンダ車の年月が古くても故障しない品質の高さが一番の理由だと言う。つまり、中古車になってもその高い品質故に買手の需要が有り続ける事で盗みの対象車種になっているというわけだ。さらに、日本に比べて個人の手によるクルマの改良や中古車のチューンナップが盛んなアメリカでは中古部品の需要も高く、中古のホンダ車を盗んだ後に解体してパーツを売ることでも大きな利益が生み出せるのだと言う。煮ても焼いても食えないというコトバがあるがホンダ車はこれとは真逆の古い車種であっても故障知らず、部品の一部であっても確実に金になる信頼性の高いクルマだという事をアメリカ中のクルマ泥棒がわかっているから盗難被害が後を絶たないと言う事なのだろう。ニッポンが誇る自動車製造の高度な技術が、こういう犯罪マーケットにまで理解が浸透したがために盗難車ランキングでホンダ車が上位を独占してしまった事を日本人として内心誇りにすべきなのか怒るべきなのか、いささか気になってしまうデータではある。