ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

160年前、ピラミッドとスフインクスを見たサムライ達の感想。

⬆上の写真は、160年前日本人が初めてピラミッドとスフインクスを見た際の有名な写真だ。写っているのは、江戸幕府フランスに派遣した第2回遣欧使節のサムライ姿の一行だ。文久3年(1864年)2月6日に日本を出たサムライ一行は上海インド等を経由しスエズから陸路でカイロへ向かいギザ三大ピラミッドスフィンクスを日本人として初めて見学している。ピラミッドに到着するなり全員が頂上に向かって上り、使節団最年少のサムライ三宅復が、この時に抱いたピラミッドの感想についての記録が残っている。「日本にも、もっと高く見晴らしのいい山は沢山ある。しかし、これは山ではなく同じ人類が作りあげた途方もない構築物なのである。それはまるで「人間は、こんなことまで出来るのだ」と、他の人間をあざ笑っているほど、想像を絶する巨大なものなのであった」また、スフインクス像については、杉浦愛蔵というサムライの一人が「石を彫りて作りし巨人の首あり。肩より以下は砂中に埋没して見えず。是、古昔何等の意を寄せしや、測り難し」と感想を記している。見学の記念に、ピラミッドとスフインクスをバックに撮影されたこのサムライの集合写真は、歴史にその名を残す偉大なイタリアの写真家A・ピアトーによるものだ。ビアトーは、この後、英国ロンドンで写真集『スフィンクスとピラミッド』を出版、ヨーロッパに日本のサムライの存在を知らしめた人物だ。