ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

スティーブ・ジョブス、なぜ「禅」にこだわり続けたのか。

米アップル社創業者、スティーブ・ジョブズ。類いまれな彼の才能が後世に残した「深い影響力」は、iPodやiPhoneの発明にとどまらず、20歳の頃から傾倒し続けた「禅」についても見る事ができる。「ジョブズが愛した禅」に触発された知的エリートたちは情報と自分を統御する術を「禅」に見出し、グーグル、インテル、IBM、フェイスブックなどのIT企業に始まり米国防総省、米農務省にまでその影響力を及ぼした。かつてジョブスは、「座禅」がもたらす効用についてこんな風に語っている。「ただただ坐って自分を見つめると、心に落ち着きがないことがよくわかる。静めようとするとかえってざわついてしまうのだけれど、時とともに落ち着いて、普段は捉えにくいものが聞こえる余地ができる。その時、直感が花開くんだ。いつもより物事がくっきり見えて、現状を把握できる。胆が穏やかに据わり、今まで見えなかったとてつもない広がりが眼前に開く」。商品の開発でジョブスは、マーケティングリサーチを一切しなかった。座禅によって自分の中に下りていき、自分が本当に望むものを徹底的に見ようとした。自分の深いところから生まれてくる製品は、相手の深いところを揺さぶる力を持っていた。自分は一体何を望むのか。それを「座禅」によって探る事が、ジョブス流のマーケティングだったのだ。ITの世界をエポックメイキングしたジョブスの発想が、マーケッティングリサーチではなく座禅によって生み出されたことは日本人にとって、実に誇らしい限りだ。