ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

100年前「列車は時間通り」と文豪ヨゼフ・ロートが書いた国。

100年前、オーストリアの文豪ヨーゼフ・ロートが記した紀行文「この国は、列車も時間通りにやってくる。ホームでは人々が綺麗に行列を作って待っている。(中略)中央アジアやシベリア・極東にまで高校や大学を設置していて、現在識字率はアジアでも圧倒的トップだ。人との待ち合わせも五分前行動という奇妙な習慣を導入している。大事な人との待ち合わせでも3時間は遅刻する怠惰な西欧人の私にはこの国は本当に息が詰まる思いだ。我々西欧民主主義社会とは違う奇妙かつ異常な世界があることを知った」。てっきり、これは日本についての描写かと思ってしまうが、実は革命間もないソビエト連邦(ロシア)についての記述なのだ。100年前、これだけ進歩的な国で天然ガスや石油資源も豊富な国ロシアが、100年を経てGDPで同じ共産主義の国中国(世界2位)に追い越され、日本を含む先進7カ国にも追いつけず、GDPで韓国に次ぐ11位にまで成り下がったのはナゼなのだろうか。その答えはアメリカの文化人類学者ルースベネディクトが77年前、敗戦国日本が憲法で戦争放棄した事について「この国が、軍備をせずに済ませるなら、軍事力を整える国に対して有利な立場に立てる。というのも富を用いて健全で豊かな経済を建設できるからである」と語った言葉がヒントになる。ロシアは、この100年、軍事力を「最優先」してきたばかりに貧しい国に成り下がってしまったのだ。