ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

怪盗ルパン、シルクハットもマスクもして無かった。

日本の人気アニメ「ルパン3世」のルーツでもあるフランスの怪盗ルパン。1905年から四半世紀以上にわたってフランスで人気を博したモーリス・ルブランが執筆したシリーズ小説だ。紳士にして、冒険家。変装の名人でいくつもの変名を持ち、貴族の城館や資本家の邸宅などを襲い宝石や美術品、貴重な家具などを盗んでいく大胆不敵な大泥棒。また、脱獄の名人でもあった。その一方、善良な者を助ける「義賊」の性格もあわせ持っており、虐げられた婦人や子供にとっては頼もしい保護者となる怪盗ルパン。変装はルパンの代名詞の一つであるが、原作でのルパンの変装は、アニメなどで表現される顔全体にマスクをかぶるようなものではなかった。その多くはメーキャップや服装を変える程度で、せいぜい「パラフィンの皮下注射で皮膚を膨らませる」「科学的な薬品で鬚や髪の毛を伸ばし、声を変える」「ダイエットをする」「アトロピンを点眼する」程度である。それよりもルパンが重視していたのは、しぐさや歩き方、表情や話し方などを変えるという、他人の観察力から生みだされた独特な「演技力」だった。また、怪盗ルパンの服装のイメージとして、「シルクハット夜会服モノクル (片眼鏡)」⬆というものがあるが、意外にも原作の本文中にはそういう描写はまったく出てこない。このイメージは、ラフィット社からルパンの単行本が初めて出た時に、表紙のイラストがこのスタイルで描かれたことが原因で一般に広まったイメージだといわれている。