ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「不思議の国のアリス」こどもの夢をこわす残念な「結末」。

1865年イギリス数学者ルイス・キャロル  が書いた童話「不思議の国のアリス」。ディズニー映画でもお馴染みのこの作品。幼い少女アリス白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなどさまざまなキャラクターたちと出会いながらその世界を冒険するという世界中の誰もが知っている名作童話だ。この物語の結末は、ハートの女王の作ったタルトを盗んだという疑いで、ハートのジャックの裁判が行われ、アリスはこの裁判で証人として発言を求められるが、ハートの女王らの理不尽な裁判の進め方に憤慨し「あんた達なんか、ただのトランプのくせに!」と思わず叫んでしまう。このアリスの発言が「不思議の国」から現実の世界へとアリスが呼び覚まされるきっかけになるという物語の結末、「ただのトランプのくせに」というアリスのセリフは、彼女が、それまで体験してきた不思議な世界を「全否定」してしまう残念過ぎる一言だ。7歳という幼い主人公アリスに似つかわしくないこの捨てゼリフ。夢物語を読んできた子どもたちは、「ただのトランプのくせに」というアリスの乱暴な「捨てゼリフ」で不意に我に帰ってしまうという残念な結末。作者のルイス・キャロルは、玉手箱を開けた途端に現実に戻るという「浦島太郎」のように子供が読む童話にふさわしい「結末」を、アリスのために用意すべきだったと思われる(笑)