2016年1月に「登録不要で完全無料の」漫画サイトとして開設され、違法コピーされたマンガをインターネットブラウザ上で誰でも無料で読むことができるようにしたマンガの違法閲覧サイト「漫画村」。日本の当局から著作権法違反の容疑で指名手配されていたこの違法サイトの責任者で日独イスラエル三重国籍の逃亡犯、星野ロミ容疑者がフィリピン入国管理局に拘束された(⬆上の写真)。違法サイトと知りながら開設から2年後の2018年1月には月間利用者数が約9892万人を突破し、この間の「漫画村」による被害総額は3200億円にのぼるという。明らかな著作権法違反のこの事件は、なぜ開始から2年間も放置されたままだったのか。2018年4月に政府が「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策(案)」を発表し、緊急的な措置として、漫画村に対してブロッキングを行うよう、インターネット接続業者に要請した。ところが日本インターネットプロバイダー協会は、「通信の秘密の侵害」に当たるとしてブロッキングに反対の声明を発表。要請があっても原則応じることはできないとした。また全国地域婦人団体連絡協議会と主婦連合会が「ブロッキングを行わないことを求める」との意見書を発表した。「表現の自由を守る」のが先か「違法サイトを取り締まる」のが先か、1年間以上にわたってすったもんだしてる間に、星野ロミ容疑者は国外へと逃亡してしまったのだ。「違法サイトは取り締まるべき」という法律を無視しての「ブロッキング論争」、こんな「論争」を机上で続けている限り、第2第3の星野ロミがきっと出て来るに違いない。