今から14年前、2003年に濃度が高い茶カテキンが体脂肪を減らすという画期的なふれこみで大手メーカー花王からヘルシア緑茶が発売された。当時お腹周りの体内脂肪に悩んでいた私はこの商品に飛びつき、毎日他のお茶より高価なヘルシア350mlを毎日2本づつのペースで1年間飲み続けた結果、何の効果も得られずに飲むことを止めた苦い経験がある。その4年後の2007年に高濃度茶カテキンを飲み続けて肝臓に障害が起きたことがカナダの医学会で報告されカナダ国内では高濃度茶カテキン飲料は販売が禁止された。さらに2年後の2009年にはイタリアから高濃度茶カテキンが肝機能障害を起こすという研究報告があり、現在ではアメリカを始め高濃度茶カテキン飲料には肝臓に危険を及ぼす恐れがあるむねの注意書きを入れる事が販売の条件になっている。では、日本の場合はどうか?肝臓への危険性についての「注意書き」どころか厚生省の特定保健用飲料「トクホ」のお墨付きまでもらってヘルシアを筆頭に高濃度茶カテキン飲料が堂々と販売されているではないか。茶カテキンが本当に肝臓に障害をもたらす危険性があるのか無いのか、マスコミは広告主の大手メーカー批判は出来ずこの問題に口をつぐみ、消費者は肝臓への悪影響について何も知らされないまま体脂肪を減らそうと高濃度茶カテキンをせっせと飲み続けて居る現状は恐ろしい限りである。先日私が大病院で受けた健康診断で「血糖値は正常なのに肝機能が良くない」という医者が首を傾げる「診断結果」を聞いて、14年前に1年間飲み続けた高濃度茶カテキン飲料「ヘルシア」のもしや影響かと、少しばかり不安がよぎった次第である。