ハウステンボスでバンジージャンプのロープが切れて飛んだ客がケガをしたというニュースがあった。バンジージャンプのロープが切れるというあってはならない事故が現実に起きたことはまさに恐怖である。今回はワイヤーロープが切れたのが事故の原因と言われるがバンジージャンプの構造は、ジャンプ台に結ばれたワイヤーロープの先に弾力のあるゴム製ロープが結ばれジャンパーの命綱になっているという仕組みだが、このゴムを束ねたロープ部分の安全性はどうなのか。5年前、このゴムのロープが切れるという事故がアフリカの川で起き、飛んだ女性客がケガを負った記憶がよみがえる。人体がバンジージャンプで落下するエネルギーは、体重に換算して2~3倍の負荷がロープにかかり、場合によってはそれ以上の負荷が生まれる場合もあるという。しかもゴムは老化するものでいくら安全点検を繰り返していてもゴムの劣化は気付きにくいものだというから恐ろしい。現代の科学技術の粋を集めたスポーツとされるバンジージャンプの安全神話を信ずるよりも、飛込み自殺のような悲劇を生む危険性を孕んでいるという現実を我々は十分知っておくべきだろう。ジャンプする前に必ずサインすることを迫られるジャンプによる事故は、「飛んだ人の自己責任」という飛ばす側の安易な「責任逃れ」の書類にサインしてまで楽しむ価値があるスポーツなのだろうか。万が一の危険性を孕んでいるバンジージャンプ。「君子危うきには近寄らず」がもっとも賢明な選択と言えるのかもしれない。