ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

裁判所の命令で墓場からよみがえったサルバドール・ダリ。

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溶けかかった時計の絵で有名なシュルレアリスムの天才画家サルバドール・ダリが死後28年経った今年、再び世界中の大きな話題になっている。ダリの娘だと名乗る女性が突然現れ裁判所にDNA鑑定を申し立てたのである。裁判所はこの女性の主張を受け入れ、ダリの遺体を掘り起しDNA鑑定を行う事を命じたのだ。当然、ダリの財団はこれに反対し、「ダリの遺体を掘り起こすという尊厳を無視した行為をする前に、まず女性の法律上の父親や兄弟のDNA鑑定をするべきだ」と主張した。このもっともなダリ財団の主張を裁判所はまったく無視してダリの遺体の掘り起こしを命じ、これが世界中で大きな話題になったのである。生前、ゾウに乗ってパリの凱旋門をくぐったり、潜水服を着てロンドンで講演を行い窒息しかけたりと奇行で知られたサルバドール・ダリは世界中が自分の存在を忘れかけている今、裁判官の命令で再び地上へと戻れたことに感謝してるかもしれない。防腐処理を施されたダリの遺体はミイラ化してはいたがあの有名なピンと上を向いた口ヒゲは生前と同じく正確に時計の10時10分の位置を指していたというから驚きだ。28年前、ダリを埋葬する際に防腐処理を施した人物が、この遺体の掘り起しにも立ち会い28年を経過してなおピンと立つ口ひげを見て「これは奇跡だ」と叫んだと言う。生前多くの奇行で話題を提供し続けてきたシュルレアリスム(超現実)の天才画家は、死後もなお現実を超えたパフォーマンスを我々の前に突き付けてくる不思議、やはり彼は歴史に残るホンモノの天才アーティストなのだろうか。