アニメ映画「君の名は」が若い女性を中心に大人気である。観客動員数が宮崎アニメの過去の記録100万人に迫る勢いだそうだ。ストーリーといえば、主人公の男女の入れ替わりを軸にエンディングは彗星の落下というように、かなり手の込んだアニメーション映画なのだが、作品の良しあしは別として、このアニメは完全に大人向けに作られていて、子供を連れて一緒に楽しむようには出来ていない。宮崎作品でも同様だがこどもの観客をネグレクト(無視)したアニメ作品が我が国では多すぎるように思う。本来アニメ映画というのは子供が楽しめる、感動する、何かを学べる、そして大人も一緒に感動できるストーリーがベストだと思うのだが。たとえば、アニメでは無いがスピルバーグの映画「ネバーエンディングストーリー」は、子供に「勇気」を持つ大切さ、「創造性」をもつ大切さを明確に伝えるストーリーになっている、しかも大人が見ても楽しい子供向けに仕立てられた映画である。日本のアニメ映画は、コミカルな分野では世界を席巻してはいるが、「君の名は」のようなシリアスなアニメ映画つまり子供向けではないアニメーション映画が、「ドラゴンボール」のようなコミックアニメのように世界中の支持を得られるものなのだろうか?つまり、大人だけをターゲットにしたアニメーション映画が果たして世界に通用するものなのかどうか「君の名は」の行方に注目したい。多分、子供を観客として取り込まない日本発アニメ映画の世界各国での評価が、これではっきりするだろうと思う。